官僚に学ぶ仕事術 ~最小のインプットで最良のアウトプットを実現する霞が関流テクニック  久保田 崇


著者は、内閣府のキャリア官僚。官僚というと、世間的に悪いイメージがあると思うが、実際には真面目で良心的な人が多いのではないだろうか。

自分は数年前、霞が関のキャリア官僚の人たちと共に働く機会があったのだが、その時の印象は、彼らが非常に勤勉だということ(長時間、集中して働いている)、常に話の核心に達するスピードが速い(≒地頭が良い)という印象を持った。読後感として、この本の著者も、そんな一人なのではないかと感じた。

本書にも書かれていることだが、官僚の仕事では、文書作成に関する仕事の比重が極めて高い。それも、率直に言ってあまり専門知識のない政治家などを相手に、いかに短時間で正確に事実を把握させるかといった目的を持った文書を作る機会が多いので、とにかくコンパクトで分かりやすい文書を書くことが要求される。

私の個人的印象でも、官僚の書いた文章は、政治的なバイアスが入っているものもあるが、総じて非常に分かりやすいものが多い気がする(今では、相当量の文書が役所のサイトにもアップされていますね)。はっきり言って、大半の企業の文書よりも質が高く、分かりやすいものが多い。

本書では、こうした分かりやすい文書を作る際のインプットとアウトプットのコツのほか、常に圧倒的な仕事量に追われる霞ヶ関官僚ならではの業務管理の具体的なアイディアも紹介されており、一般のビジネスマンにとっても役に立つ内容になっている。

 

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