月別アーカイブ: 2016年12月

速習!マクロ経済学―試験攻略入門塾  石川秀樹

 

速習!マクロ経済学―試験攻略入門塾
石川秀樹
中央経済社
売り上げランキング: 3,220

 

要旨
国家試験対策のマクロ経済学の参考書。公務員試験、会計士試験の受験対策としての参考書だが、それ以外の読者も対象。マクロ経済学のほぼ全ての論点を網羅している、

感想
国家試験などまったく受ける気はないが、アマゾンで評価が高い本だったので、買って読んでみた。たしかに試験対策の参考書なのだが、本の目的がはっきりしているだけあって、説明がクリアカットで、とても分かりやすい。最初にマクロ経済学の全体像を俯瞰して、それぞれの論点がどのようにつながっているかを説明、それをこれからどのように分解し、どのような順番で説明していくかを述べている方法も、他の経済学の教科書にはなかなか見られない切り口かもしれない。

国家一種や会計士の受験者も対象にしているので、レベルもそれなり高度だが、抽象的で難解なトピックも、図表などを交えて分かりやすく解説してくれている。試験対策本なので、難しい点も避けずに正面から切り込んでいるが、著者の意見を脇に置いて、読者に理解してもらうことを最優先しており、その熱意がこちらに伝わってくる。ほかの経済学の入門書で挫折した人も、本書は一読の価値があるかもしれません。

 

 

[`evernote` not found]

親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと  太田 差惠子

 

親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと
太田 差惠子
翔泳社
売り上げランキング: 2,665

 
要旨
親の介護に関する教科書。どのような問題に、どのような対応策、制度があるかを、一通りすべて網羅している。お金の問題、親や兄弟との人間関係、どの段階でどのような問題が出てくるか具体的に分かりやすく説明。

感想
先日親が倒れ、その後回復したが、介護の問題が身近に迫った。兄弟もいるが、兄弟ばかりに頼るわけにもいかない。いろいろな問題が現実感を持って迫ってきて、不安になったので、本書を手に取った。

とにかく分かりやすい。ただ、分かりやすいだけでなく、介護に関する論点を、広く深くしっかり押さえている。身近に介護問題で親子関係や兄弟関係が悪化してしまった事例も見てきたので、人間関係とお金の問題も心配だったが、本書はそのへんもカバーしている。介護する側だけでなく、親の気持ちも尊重する必要があること、認知症になってしまった場合、親にどのように対応すればよいか、そんなことにも触れている。

これからいろいろなことがあると思うが、本書を読んで少し気持ちが楽になった。

 

 

[`evernote` not found]

入門経済学 第4版  伊藤元重

 

入門経済学 第4版
入門経済学 第4版

posted with amazlet at 16.12.19
伊藤元重
日本評論社
売り上げランキング: 32,923

 

要旨
ミクロ経済学、マクロ経済学、国際経済学の基礎をバランスよくカバー。経済学の入門書として、ロングセラーにして、ベストセラーのひとつ。

感想
ミクロ経済学、マクロ経済学、国際経済学の基礎が俯瞰できる。初学者にとって、易しすぎず、難しすぎず、難易度という意味で絶妙なバランス。もう4回くらい通読したと思うが、今でもときどき本棚から出して読み返す。私にとって、経済学理解の基礎を築いてくれたかけがえのない本です。

 

 

[`evernote` not found]

ウォール街のランダム・ウォーカー  バートン・マルキール

 

ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
バートン・マルキール
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 5,092

 

要旨
アクティブ運用(個別株投資)は、パッシブ運用(インデックス投信)に勝てない。テクニカル、ファンダメンタルズなど手法の次元を超えて、パッシブ運用には勝てない。それは市場の動きを読むことがもともと不可能で、ここをクリアできる再現性のある手法が存在しないこと、またアクティブ運用はパッシブ運用よりも売買手数料がかさむので、理論的にも、実践的にも絶対に勝てないことを論証。

感想
評価が大きく分かれる古典。とくに、アクティブ運用がパッシブ運用に勝てない点を論証しつつ、自身のアクティブ運用の手法を展開している点が致命的だと指摘されることが多いようだ。しかし、これまで11版を重ねた古典でもあり、そのへんの投資本とは格が違うことは確か。大部なので、もう一度読み返して、ポイントをしっかり咀嚼したい。

 

 

[`evernote` not found]

知的生産の技術  梅棹 忠夫

 

知的生産の技術 (岩波新書)
梅棹 忠夫
岩波書店
売り上げランキング: 3,444

 

要旨
いろいろな知恵や情報に触れ、それを糧に新たな知的生産物をどのように作るかという、その方法・技術について述べている。情報やそれに関する所感をカードに書き込み、それを自由に組み合わせることで、新たな知的生産物を作る方法論が展開されている。レオナルド・ダ・ビンチが、身の回りに起きることを、いちいち全て日記に書く習慣があり、それがダ・ビンチの知的生産活動の基礎になっていたエピソードも紹介。

感想
IT化などが想定されていなかった時代に書かれた古典。カード式の方法は、今ならEvernoteを使って、かなり同じような形で再現できるのではないかと思った。ダ・ビンチのメモの習慣も大変参考になった。人間は、おもしろい思いつきをしても、それを驚くほど簡単に忘れてしまう。何を忘れたかも忘れてしまうから、その損失は計り知れない。少し経ったらもう一度読み返したい。

 

 

[`evernote` not found]