仕事をしている人は、仕事自体の悩みよりも、人間関係の悩みの方が比重が大きいという場合が少なくないのではないかと思う。子どもでさえ、勉強自体よりも、人間関係の悩みに悩んでいるケースの方が多いのではないかと思う。ことほどさように、人間関係に関する期待や悩みは、私たちの日常生活の中で占める割合が多い。
本書は、主に職場における人間関係の問題を扱っている。職場の人間関係の悩みは、そこに抜き差しならない利害関係が絡んでいるだけに、ちょっとしたきっかけで深刻化しやすい。また、同じ問題でも、あまり気にしない人がいる一方で、すごく悩む人もいて、人によって感じ方が全然違う。
そんなこともあり、本書は自分の性格タイプ別に問題解決のアプローチを変えている。多くの類書は、こういう問題はこういう解決策というアプローチを取るが、本書は、こういう人が、こういう問題で悩んでいる場合、こういう解決策があるというふうに、タイプ別にアドバイスを変えている。こういうところが、非常に現実的で好感が持てる。
手軽な新書ではあるが、巻末に参考文献を載せている。悩む読者の側に立つ好著です。