自己啓発・心理」カテゴリーアーカイブ

聖書に隠された成功法則  松島修

聖書に隠された成功法則
松島 修
サンマーク出版
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筆者はFX界の第一人者。自身も大変な「成功」者である。題名がちょっと怪しい感じがしたが、実際に読んでみたら凄い本だった。

人生を成功させるには、自己実現を目指しても成功できないという。なぜなら、人は全知全能の存在ではないから、最初から目標設定を誤ってしまうからとのこと。そして、たとえ成功できたとしても、それは長続きせず、また当初予想していた充足感も得られず、失望に終わることが多いという。なかなか説得力がある。

人生を成功させるためには、自己実現ではなく、「神」実現を目指すべきだという。神は、全知全能の存在であり、私たち一人ひとりをそれぞれ目的を持って創造された。だから、神が自分に通して達成しようとしている目的を、神に尋ね求めながら、神の目的を実現することが、自分に最高の「成功」を与えるという。

また、人生最大の罠は、傲慢になることだという。どんなに大きな成功を収めた人も、傲慢になった瞬間に転落するという。世の成功者の盛衰を考えても、たいへん説得力がある。

 

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ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊   立花隆・佐藤優

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)
立花 隆・佐藤 優
文藝春秋
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確かにこれらの著作を読めば、頭脳は鍛えられるだろう。しかし、これだけ読むのは大変だ。ここまで、本を読まなければならないというのは大変だ。圧倒される。

お二人はたぶん、生来勉強するのが好きなのだろう。だから、こんな面白い本があるという感じで、たくさんの本を列挙して書評しているのかもしれない。しかし、世の中には、こんなに本を読むのは辛いと感じる人もいるだろう。

私は個人的に、言うのも恥ずかしいことだが、どちらかというと勉強が好きだ。だから暇さえあれば、どちらかというと、ここに挙げられているような本を次々と読んでいるし、本書のような本を重宝に感じる。

しかし、それでもなお、真に価値のある本は、一冊だけだという感じを持ちながら、いろんな本を読んでいる。その真に価値のある本とは何かということは、ここではあえて語るまい・・・。

 

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会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ  斎藤正明

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)
齊藤 正明
毎日コミュニケーションズ
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ズルイ題名である。超有名なベストセラーのパクリ、そして「マグロ船」という語感で、思わず手にとってしまった。そして、思わず買ってしまった。通勤電車の中で読みながら、3日で読了。期待通り、いやちょっと期待以上の内容でした。

マグロ船という過酷な閉鎖環境で、海の男たちはどうストレス・マネジメントしているのか。ビジネスパースンにとって、勉強になる知恵が詰まっている。勤め人にとっての悩み事とは、仕事自体に起因するものより、人間関係に起因するものの方が多いだろう。本書は、そんな勤め人の悩みにヒントを提示している。

コーチングとか、心理学的なアプローチで、海の男たちのストレス・マネジメントを論じているのは、やや興ざめ。彼らの知恵をそのままストレートに描いたままの方が、本書が言いいたいことのポイントが、より鮮やかに浮かび上がったことでしょう。ただ、それでも久しぶりに、一気読みのできる活きの良い新書に出会いました。手(グー)

 

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ボーン・アゲイン  チャールズ・コルソン

ボーン・アゲイン―ウォーターゲート後日物語 (1979年)
チャールズ・W.コルソン
いのちのことば社
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Born Again
Born Again

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Charles W. Colson
Chosen Books Pub Co
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本書は、もともと「ボーン・アゲイン ウォーターゲート後日物語」(いのちのことば社)という邦訳がありましたが、今は絶版になっているため、ネット上で中古のものが取引されている状態のようです。言うまでもなく、原書の方はいまでも広く流通しています。

ボーン・アゲイン(born again)とは、聖書に書かれた通りのイエス・キリストによる新生(生まれ変わりの)体験のことで、とくに形式的なキリスト信仰が蔓延している欧米社会では、よく使われる言葉です。欧米では、なんとなくイエス・キリストを信じている人が多いのですが、聖書に書かれている通りのキリストの罪の赦しを体験的に知った人は相対的に少なく、その意味でも、このことを体験的に知り、深くキリストを信じている人を、あえてボーン・アゲイン・クリスチャンと呼ぶことがあります。

ちなみに、この新生体験は神秘体験のようなものではなく、聖書に書かれているイエス・キリストの死と復活の本当の意味を、理性を通して真理であると把握する「神との邂逅」のような体験であると言ってもよいかもしれません。

さて、本書の著者であるチャールズ(チャック)・コルソン(Charles “Chuck” Colson)氏ですが、私は学生時代にウォーターゲート事件のレポートを書いていて、世の中にはこんなに悪い人間がいるのかと驚かされたのが、この人との初めての「出会い」でした。

ニクソン大統領の顧問として、米国の民主主義の根幹を揺るがせたウォーターゲート事件の裏工作の多くを考案・推進し、多くの関係者の政治生命を絶った人物として、当時は悪のシンボルのように扱われていた人であり、私もリサーチを進めるにつれ、この人の悪徳ぶりに気分が悪くなるほどでした。

しかし、それから時が経ち、この人が劇的な体験を通して救われ、ボーンアゲイン・クリスチャンとなり、牧師となったことを聞き、二度驚いて、数年前に本書を読んでみました。

とくに印象的なのは第8章に出てくる友人との語らいの場面です。ここでは、コルソン氏が、自分の本当の姿に目を見開かれ、愕然とし、号泣する場面が出てきます。ここは、読む側も、自分も決して善人ではないということを悟らされ、涙なしには読めない箇所でもあります。また、人間の本質に関わる深い内容も扱われていて、一度読むと忘れられない箇所でもあります。

いまコルソン氏は、牧師として政治に関してコメントすることもあり、私は個人的にその多くに賛同できませんが、本書の8章に関しては、ここを読むだけでも本代を払う価値があると感じています。今でも、ときどきここだけは読み返すことがあります。

 

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