本書は、聖書の教えに立脚した本である。ただ、「聖書」と言うと、かえって敬遠する人もいるだろう。私は日本人だから、仏教徒だから、と身を引く人もいるだろう。
しかし、聖書は世界最大のベストセラーにして、世界最長のロングセラー。世界の政治経済を仕切っているユダヤ人、欧米人には、聖書に精通し、聖書を信じている人も多い。日本にとって特殊な本でも、世界的に見れば、聖書は普遍的な知恵の書でもある。
本書の筆者は、生き馬の目を抜くFXの世界で30年以上成功を収め、なおかつファイナンシャルプランナーで最高位の資格を持つ実力者である。経済評論家とかではなく、投資業を長年継続的に成功させてきている実務家である。
本書の要旨は、聖書に基づいて投資を行なえば、的を外さないというポイントを基盤にして、そこから、どのような投資物件にどう投資すべきか、巷にあふれる怪しい話をどう見抜くか、お金の罠にかからないためにはどうすればよいかといった具体的な話を展開し、最終的には、聖書に基づいて人生を生きれば、人生の的を外さないという深遠な話に触れている。
聖書に親しみのない人から見れば、意外なことかもしれないが、聖書の中心は愛である。それは、具体的に言えば、創造主である神は、人(つまり自分)を心の底から愛していることを知ることで、その神の愛に立脚して、他の人をも愛して生きる必要があるということである。
このような聖書に沿ったマインドセットが「成功」の秘訣だと、本書は説く。逆に、自分が嫌いで、自分から目を逸らし、自分から逃れる動機で仕事をしたり、他人を出し抜く動機で仕事をすれば、おのずと「失敗」に導かれるという。その意味でも、聖書を知る必要があると本書は説く・・・。