ダイヤモンド社
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グーグル本社No.2にして日本法人トップによる、半ば体験記的な英語学習の手引き書です。英語学習関連の本としてだけでなく、ビジネス本としても、大変良く売れているようで、私も仕事で英語を使い、現在進行形で毎日英語を勉強している者として、思わず手に取り読んでみました。この本の論点のうち、極めて特徴的なポイントは特に以下の2点であるように思います。
1.量をこなすこと
ちまたの英語学習本を読んでいて気になるのは、量をこなすことを主張しているものが少ないことです。「量をこなす」とは、とにかく莫大な量を読み、聴くという大量のインプットを行うということです。裏を返すと、ちまたの英語学習本の中には、英語上達のコツだけを紹介して、それだけで英語が上達するかのような主張をしているものも結構あります。
実際にある程度の英語力を身に付けた方々は皆さん賛同してくれると思いますが、英語の上達には、的を得た学習法(いわゆるコツを含む)と、莫大な「量」をこなすことの両方が必要です。このどちらが欠けても、うまく行きません。その点、この村上さんの本は、コツを紹介しているとともに、冒頭でまず数十冊の原書を読むことを提唱しており、話に真実味があります。
2.一気呵成にやること
本書の中盤では、ダラダラやっていては学習効果が薄い、とにかく大量の学習ノルマを一気呵成にやることが大切だということが主張されています。誰でも苦手なことは中々手につかない、やりだしても途中で放り出してしまうということがあると思いますが、それだと最初から何もやらないのと全く同じで損です。
誰でも、勉強や仕事で、締め切り間近になると、自分でも信じられないほどの生産性が上がる体験をしたことがあると思いますが、自分にはちょっと無理だと思うくらいの学習ノルマを設定した方が、ちょうど良く、またやればできてしまうものです。
上記のほかにも、英文法を理解するコツ、スピーキングの話なども紹介されていて、なかなか有益に感じました。年配の成功者の方の体験記というと、とかくさりげない自慢話がすべり込んでいたり、どうも垢抜けないものが少なくないのですが、本書にはそういう妙なクセがないですね。本の装丁も、グーグルのポータルサイトのような清潔感のある色調で、良い感じです。